深部低周波微動の発見

火山性微動ですね。初めて見ました。

ええ。これと似たような小刻みな揺れが、10年前に、火山の存在していない地域で観測されました。震源は火山のあるような浅いところではなくて、西南日本のプレート境界でした。

僕の出身地だ。覚えてないなあ。震度いくつくらいだったんですか。

人にはもちろん感じられません。高感度地震計が,かろうじてとらえられる程度です。さてこの地震波形を見て、どの部分がそれに相当するか、わかるかしら。これは西南日本の北から南まで、地震観測点の記録波形を縦にずらっと並べたものです。一本がひとつの観測点での一時間分の地震記録になります。2000年5月5日の午後10時から11時まで,左から右へと地震波形が記録されているようすを示しています。

すごい数だな。一本一本の線に見えないくらいだ。このどこかに、火山性じゃない微動が隠れているんですね。どこだろう? 検討もつかないや。

この部分よ。

【図1】深部低周波微動を記録した地震波形.(小原一成教授提供)

ええっ! 完全に見落としていました。

大学院に入って、これからたくさんの波形を見ていくと,この記録から「何かおかしいぞ」と気付けるようになりますよ。この微動は、防災科学技術研究所の高感度地震計観測網Hi-netで観測され、「深部低周波微動」という名前が付けられました。もちろん世界で最初の発見よ。

1月に見学したところだ!(『謎解き地震学 No.09』) へえ、世界初か、すごいや。