悪夢のような結果が出た.2011年度予算で各省が政策を競い合う「政策コンテスト」の評価会議の結果が,各紙で大きく取り上げられていた.文科省の評価はのきなみCやDだった.
学振(ガクシン)という制度がある.若い研究者が,ひとつの分野で全国で数名しかもらえない奨学金のことだ.僕が進学する研究室の先輩にももらっている人がいる.レイ先生ももらっていたと言っていた.この予算が,カットか,大幅削減される.
4月から大学院でがんばるぞー,と思っていた僕の気分を返せ!!!
昨年の事業仕分け以来,科学政策についていろいろなことが言われてきた.僕は文系にいたから,科学や技術というよりも,学術としてとらえている.僕が大学院にまで進学してやりたいこと,いや僕が一成人として使命感と責任感を抱いていることとは,『少しでも情報を整理整頓して後世に託す』ということだ.
学術は僕のものでもないし,研究者のものでもない.研究者がこの世からいなくなったって,人間活動をする限り,学術はなくならないだろう.経済,政治,読み書き,それから料理,毎日携帯を使ったりインターネットを使ったりする僕らの生活自体がいい証拠だ.だから僕は訓練をする.よりよい形で後世に知識を託していけるように.
日本の学術はどうなってしまうんだろう? 僕らが研究を続けられるように,毎日必死で組織や社会のために活動している新堂教授やK2先生にこんなこと言ったら,悲しむだろうな.でも僕は,自分の将来と自分の国の将来に,不安を感じざるを得ない.