地震と地震動,マグニチュードと震度

地表にできる亀裂は地震の正体が顔をのぞかせたところというわけか。一方でビルが倒れるのは地震の結果起きること。地震の発生で地面が揺れて、その揺れが大きかったときに建物の倒壊などの被害が発生するのですね。

揺れが大きいとき、というのは具体的にはどんなとき?

地震の規模が大きい場合です。

それだけかしら。地震の規模が大きくても遠ければ被害はないでしょう?

そうか。地震の規模が大きい場合と、震源に近い場合だ。

だから地震そのものの規模をあらわす指標と、地表での揺れの規模をあらわす指標が必要になるわね。

それがマグニチュードと震度ですか!

そのとおりです。地震による揺れを「地震動」と言います。日本では「地震」と「地震動」が混同して使われているようですね。「地震が起きた」というときは震源としての「地震」をあらわしているのに対して、「下から突き上げるような地震だった」などというときは、本来なら「地震動だった」というのが正解です。ただ、地震という言葉は本来、地面が震えるという意味だったはずですから、人々が地震動という意味で使っていた「地震」という言葉を、地震学者が勝手に「地震とは震源のことである」と決めて取り上げてしまったのでしょうけれどね...