よかったわ、文系のご出身で。古文はお得意よね?
えぇ、まぁ。
災害を書き記した古い文献のようだ。パラパラとめくっていて、思わず手が止まった。津波の被害を描写した災害絵図だ。ゾッとするほどリアルで、僕は震えた。
明治三陸津波の災害絵図です。1896年6月15日の午後8時頃に三陸沖で起きた地震で大津波が発生しました。死者約2万人、流出・全半壊家屋1万戸以上という、日本の
津波災害史上最大の被害を生みました。
2004年のスマトラ島沖地震による津波を観光客が撮った映像を思い出しました。ホテルの部屋から撮影している人が、浜辺にいる人に “Run! Run!” と叫んでいるのに、海水浴場の人々はのんきに白波を眺めていました。次の瞬間、彼らはみんな津波に飲まれてしまった。もちろん撮影者の声は浜には届かないのだけど、でもどうして浜辺にいる人たちはただ白波を眺めていたのだろう? 高さ数メートルにも及ぶ津波が押し寄せているというのに。
いい機会だから津波について調べてごらんなさい。津波が発生するメカニズム、津波と普通の波との違い、そして津波のもつ破壊力。さっきの疑問に答えが出るはずよ。