震源メカニズムのビーチボール

震源のメカニズムを見ると逆断層ですね。周辺のテクトニクスをよく反映していると思います。この地域はプレートに押される力の場にあるので、逆断層になることが予測されます。そして、地震波の解析から得られる震源メカニズムを見てもその通りになっています。太平洋プレートの沈み込みに関連した地震と言えるでしょう。

地震発生直後の報道対応をしている。地震の正体は断層での急激なすべり運動(『謎解き地震学 No.2』)で、押しあう力が働くときに起きるのは逆断層だ(『謎解き地震学 No.7』)。しかしレイ先生が見ている図はいったい何だろう? 円が白と黒に塗り分けられていて、まるでビーチボールのようだ。

そろそろ大地くんも震源メカニズムの見方を勉強しましょうか。

そのビーチボールを見て、地震のメカニズムが分かるんですか?

そう、断層にはどのような力がかかっていたのかがわかります。このビーチボールは、3次元的に分布する力の場を2次元平面で現わすために考え出された方法です。コツをつかめばすぐにわかるようになりますよ。

レイ先生は断層の片側と、それに食い込んだ半球を描いた(図1-a)。

地震は確かに断層で起きているけれど、その断層も大きな地球全体で考えればほんの小さな領域です。だから断層にかかる力の場について、これからこの小さな球で考えます。逆断層はどういう力の場でしたか?

押しあうような力です。この図では右側の部分が隆起します(図1-b)。

そうですね。半球のうち、周囲から押されている部分を白で、逆に周囲から引かれている部分を黒や赤で描くのが慣例です。

図1-cは正断層ですね。両側から引かれる力が働くような場で起きるタイプの地震です。図1-dは横ずれ断層。押す力と引く力の場が同時にあるのか。

これらを水平面に投影したのが、半球の上に描いてあるビーチボールです。震源メカニズム解、あるいは発震機構(はっしんきこう)解とよばれています。

投影された円の両端が白になっていれば、両側から押されるような力の場、つまり逆断層ということか。

そのとおり。