阪神・淡路大震災から18年

あの日,学校から戻ってきて見たテレビの映像は信じられないものばかりだった.画面の向こうにいる人たちと,同じ時を,同じ国で過ごしている.私は暖かい晩ごはんを食べているのに,画面の向こうでは...どうしてこんなことにならなければいけなかったのか.

この日,地震学者になろうと決めた.その2年後はセンター試験だった.6年後は卒論発表,8年後は修論審査,11年後は博士論文をまとめていた.全部通過点.

今日,18年が経つ.16歳だった私は地震学者になって,防災教育を,書類の中だけではなく,現実の子どもたちに実践するようになった.今日すら通過点.

この18年の間に,何人が地震災害の犠牲になっただろう? 中越地震,中越沖地震,岩手・宮城内陸地震,東北地方太平洋沖地震.間に合わなかった2万名近い犠牲.そして次の地震災害で,何人が犠牲になるのだろう?

地震災害の犠牲者をゼロにする.日本では達成できる目標だ.地震学者だけではできないけれど,協力してくれる学校の先生たちがいる.保護者の方々,地域の方々.よりよい情報発信をしていきましょうと言ってくれる報道関係の方々.ママになって子供の目線を教えてくれるかつての同級生たち.無力だった,申し訳なかったと言った私を励ましてくれた被災地の先生方.

もっと多くの人に仲間になってほしいと思っています.共に創り進めましょう.地震災害で犠牲者の出ない国を.

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