久しぶりに新しい環境になった一年だったので,振り返ってみました.私にとっての2013年度は,研究室の学生たちとの出逢いの年でした.4月に来たばかりの,海のものとも山のものともわからない私の研究室に,よくぞ飛び込んできてくれました.まあ今思えば,それだけに濃いメンバーが揃ったんですね..
先日,4年生の追コンをしました.私の最初の卒論生.この日の帰り道,研究室のみんなへの感謝の気持ちがひしひしと身にしみてきました.卒業していった4年生に限らず,研究室にいる学生たちに十分といえる指導もできず,研究室の運営も試行錯誤で至らない点がたくさんありました.そんな私を寛大に受け入れてくれ,支えてくれて,本当に有難く思っています.
自分自身が,専門性をある程度身につけてから実践を行うという一般的な大学教育のルートに乗っていたこともあり,防災の研究室のドアを叩いたばかりの学部生に,いきなり実践をしてもらうことに躊躇がありました.でもそんな心配はまったく無用で,気づいてみれば,防災教育の模擬授業は上手にこなすし,いっぱしな研究テーマにもちゃんと手を付けている.巷に足りていない新しい防災教育の教材を作ってみたり,幼稚園児のための防災ダンスを作ったりして,賞までいただきました.
こんな学生たちを見て,他の優秀な学生たちが,自分も大木研で防災をやりたいと言って訪ねてくれるようにもなりました.防災に目を向けてくれる人が増えることが単純に嬉しいのもあるけど,それ以上のなんとも言えない喜びがある.ここに来なければ出逢えなかった充実感とモチベーション.
先日,学部長から「学生に,大木先生をSFCに呼んでくれてありがとうございます,って礼を言われたぞ」と声を掛けられました.普段は「大木先生」とか呼んでないくせに.さとちゃんとかさとぴょんとか呼んでくるくせに.泣かせるじゃないか.
苦楽を共にしながら,災害のない未来という共通の目標を目指して,新しい一年もがんばろう.現実的な目標としては,やる気みなぎる学生たちの器用さに甘えずに,そして甘やかさずに,充実感を伴いながらも具体的なスキルを身につけさせてあげたいと思っています.教員と学生,先輩と後輩の区別なく,共に学び,教え合う,まさに半学半教の精神で進んでいきましょう.