新堂教授の素朴な質問 その1

出来上がったレポートを持って、新堂教授の部屋をノックした。教授のコンピュータのモニタには地震波形がいっぱいだ。レポートを提出すると、新堂教授は、うんうん、いいね、などと言って丁寧に目を通してくれている。レイ先生と違って優しそうだ。新堂教授がふと顔をあげた。

しかしプレートの境界だから地震が起きているのかね? 地震が起きているからプレートの境界だとわかった、というのが実情なのではないかね? とすると、なぜプレートの境界では地震が起きるのだろう?

それは、地球表面を覆う十数枚のプレートはみな好き勝手な方向に動いていて、境界でぶつかり合うからです。平らな岩の板であるプレートがぶつかり合うところでは大きな力がかかります。この力で地震が起きているのです。さっき教科書で読みました。

うんうん、いいね。しかし一枚の平らな板と言ったって大きいものでは10,000kmにも及ぶ。広い太平洋の底となっている大きなプレート、途中でちぎれずに一体どうやってひとつの塊となって動いているんだろうねぇ。

・・・。