『超巨大地震に迫る -日本列島で何が起きているのか-』(6/14追記)

追記しました.(6月14日)


NHK出版新書から依頼を受け,東北地方太平洋沖地震について解説する本を書かせて頂きました.6月10日から書店などで発売されます.Amazonでは予約受け付けも始まっているそうです.(Amazonの該当サイトへ

本書が地震というものの理解を助けて,ひとりでも多くの方が適正な対策を取れるようになればと思っています.また,印税はすべて,あしなが育英会から震災遺児に寄付されます.

第1章では地震とは何かといった基本的な知識を解説しました.第2章では今回の巨大津波の被害と威力を,第3章では地震発生後に見られた大きな余震や誘発地震などについて説明しています.第4章は纐纈教授が地震の科学の限界やこれからのことをまとめ,第5章では再び私が防災教育について詳説しています.

奪われた多くの命,たくさんの被災者の大切な想い出や故郷への想い,これらを地震の科学に携わる者として守ることができなかった無念をこめて綴りました.ぜひご高覧ください.


近々,本サイトにて序章部分を閲覧できるようにいたします.(Amazonでも「なか見!検索」できるようになると思います.)

『東北地方太平洋沖地震の発生後、我々は「想定外の地震だった」と繰り返した。震源域が岩手県沖から茨城県沖までの広大な範囲に及ぶマグニチュード9.0の超巨大地震が、東日本で起きる可能性があることすら事前に指摘できなかった。そのため、地震によって引き起こされるさまざまな現象、たとえば津波による被害の想定は、現実に起きたことよりもはるかに小さなものであった。

何が地震の科学にこの限界を生じさせたのか。我々自身の手で地震の科学のあり方を問い直し、徹底的な反省ののちに今後の課題を見出さねばならない。

本書では、地震とは何か、その原動力は何かといった地震の科学の基本から入って、東北地方太平洋沖地震と巨大津波はどのように発生したのかを解説し、「想定外」の意味することを書き下した。また、地震発生直後から相次ぐ大きな余震や東日本内陸部での誘発地震活動についても解説した。

(中略)

本書が地震というものを理解するのを助けることで、日本人が地震を正しく恐れられる ようになることを切に願う。奪われた多くの命、たくさんの被災者の大切な想い出や故郷への想い、それらを地震の科学に携わる者として守ることができなかった無念を込めて本書を綴っていきたい。 』

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