2010年4月末に,気仙沼市立小泉中学校から5人の少年少女と引率の先生が地震研に見学に来られました.地震や津波の話,研究者という職業の話をしたその10ヶ月後に,まさかあんな巨大津波があの子たちを襲うなんて思ってもいませんでした.
地震研に来た子たちは,3月11日,卒業式の前日で既に帰宅していました.でも全員がちゃんと高台にある学校に,自分の判断で避難してきて,犠牲者はありませんでした.生きていてくれて本当にありがとう.
この写真の緑の平地の部分,ここにはたくさんの家が並んでいました.あの日,津波は右にある国道45号線とJR気仙沼線の高架を超えて,町に入り込んできたそうです.JRは今も運行停止のままです.
今年の中学2年生もまた,防災について勉強を進めています.今日は2年生たちが講演会を開いてくれました.あの日地震研に来てくれた5人は,もう高校2年生になっていました.あの震災をどう伝えていくか,これからも起こりうる地震や津波にどう備えるか,中学2年生が『もしもBOOK』や『防災マップ』を作成しています.しなやかなたくましさに,私の方が励まされて帰京しました.