文京区の明化幼稚園での防災訓練

今日は幼稚園の防災訓練のようすを見学させていただきました.文京区立明化幼稚園です.園長の桶田ゆかり先生とは,以前,文科省の『学校防災マニュアル作成の手引き』でご一緒しました.

防災だけじゃなくて,日常に潜む危険への回避能力を引き出す教育などいろいろありましたが,私は避難訓練のところだけ見させていただきました.

地震を表現した音が鳴ると,この通り!みんな一斉にだんごむしのポーズ.自分のいる場所の上に蛍光灯がある子,扇風機がある子などは机の下へ.それにつられかけた手前の男の子が,一瞬考えて,上をあらためて見て,その場にとどまった時は感動しました.

続いて,今日の私の最大の驚き.それはヘルメットの配布の仕方.「配ります」と言うと,ワッと取りに来ようとする園児たち.そこでなんと先生は,「取りに来ません.座っててください」と.そして...

なんと箱からザーッと流した!大きな段ボールを逆さにして,ザーッと転がすように流したんです.

それで,近くのヘルメットを園児は自分で拾って,拾った子から順に装着します.全員装着するのに10秒かかりませんでした.すごい.すごすぎる.

これは,以前5歳児クラスに「ハイ,取りに来てー」と言ったら,ワッとみんな来ちゃったり,それに入れずに取れない子がいたりと,混乱した経緯があるからだそうです.それに,本当の地震になったら,先生は一刻も早くヘルメットぶちまけたい気持ちになると思います.その時に,ザーッとヘルメット流す姿に子供が混乱して泣くようではよくない.訓練の時からこういう方法を取っていたのには感銘を受けました.ちなみに,かつて防災ずきんだった時も同じ方法を取っていたそうです.(文京区の幼稚園はヘルメットになったそうです.素晴らしいですね.)

とても勉強になりました.それに何よりも癒されたぁー.園児の必死な姿と,30年ぶりの幼稚園の先生方の存在に癒されました.(笑)  訓練の前,事前学習で,「地震が起きたら何があぶないかな?」の問いかけに,園児たちは「でんき」,「とけい」,「ピアノ」など元気に答えていました.「ハッ!レモンちゃんどうしよう?」と,お教室のインコを心配していたのがかわいかったです.

訓練を終えてから,『はじめてのひなんくんれん』という紙芝居を読んで,ふりかえりの時間をとっていました.学校や幼稚園では,校庭に集合して避難訓練終了,とするところが多いですが,校庭に集合する意味はよく考えてください.立地条件にもよりますが,校舎が崩れない程度の揺れだった場合や,耐震化が済んでいて崩れないこと,火災の心配がないことが確認できていれば,校庭に行く必要はないでしょう.ましてや,雨が降ったので避難訓練を順延しました,なんてもってのほか.雨の日も地震は起きます.(立地条件によりますが)訓練では,校庭集合はいいから振り返りの時間にあてるなどのパターンも行ってください.

それにしても今日はかわいい園児たちの姿に癒されました.明化幼稚園の取り組みには頭が下がる想いです.どうか多くの幼稚園でこういった取り組みが行われますように.

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